子ども写真の撮り方「1-3.タイミングを見極めよう!」
子どものスナップ写真で難しいのは、「カメラを意識させない一瞬の自然な姿にタイミングを合わせる感覚」です。
その為、撮影者は黒子に徹することになり、声は無論掛けられないので、子どもの動きをコントロールが出来ない為、自然に難易度は高くなります。
スナップ写真は、ありのままの自然な情景を、瞬間的に判断して写真に収めないとなりません。それがゆえに、事前の動作確認はありません。
声を掛けて「こっち向いて写真」の撮影であれば、多少なりともお子さん本人も写真を撮ることが前提の意識で写真撮影に挑むので、撮影者もタイミングを計りやすいしですし、失敗したら「もう1回」と言って何回でも納得いくまで、似たようなシチュエーションでの撮り直しや、更により良く見せる為に手を加えることも可能でしょう。
事前に準備が出来ることと言えば、撮影場所となるロケーションの下見ぐらいでしょう。
しかし、撮影場所の下見は結構、重要なのです。
わたくし自身も必ず、撮影前には早めに現場に到着して下見を行っております。
前回の1-2のブログでもお伝えをいたしましたが、ごみ箱などのあまり綺麗なものが周辺にないか?とか、葉に光があたり、ここは新緑を背景に綺麗に撮れそうだな・・など、事前にポイント見つけておくと、子どもの動きは確かに成り行きだけど、背景はこちらである程度、コントロールが出来ますからね。
とはいっても、事前にある程度、予測出来そうなアイテムがあるのは確かです。
それが今回、ご紹介いたしましたシャボン玉の写真です。
子どもは基本的にシャボン玉を追いかけて、手や足でシャボン玉を壊そうとしますからね。
ただ、具体的にどのように動くか?は、もちろん分かりません。が、タイミングは計りやすくなります。
ポートレート撮影にあたり、「原則的な考え方」の1つとしまして、
被写体が動いている場合は、撮影者は動かない。
被写体が止まっている時は、撮影者が動く。
ということが言われています。
今回のシャボン玉に当てはめてみますと、子ども(被写体)が動いている時に一緒に動いてしますと、実際にやってみますと分かりますが、何よりも動きながらの撮影は大変でタイミングを落ち着いて計ることが出来ないですし、夢中になりすぎて距離感が分からなくなってしまい、ぶつかってお互いにケガをする恐れもあり危険ですもありますからね。
実際のところ、わたくしも桜の背景で撮る!と決めて、ぶつからないように望遠レンズを使用し遠い位置で、桜が見えるように地面に座った低い角度で辛抱強く待って撮りました1カットです。
更になぜ、その場所に決めたかというと、もう1つの場所の決め手となったのは、「風の方向」ですね。
風が流れていない方向に居ても、シャボン玉は流れて来ないですからね。
子どもは動き回るのでタイミングが掴みづらく撮りづらいので、ついつい声を掛けたくなってしまうかとは思いますが、人は皆、子ども・大人を問わず、夢中になっている時が一番良い表情をします。
その瞬間を見極め、タイミング良く撮影するのは確かに難しいですが、捉えることが出来た時のその喜びは、ひとしおとなるでしょう。
撮影で得た失敗や成功の積み重ねは、いずれ経験となり、その経験を基に感覚的にタイミングが分かってくるようになります。
とはいっても、何も考えずに連写で撮った経験は、経験にはなりませんのでご注意を。
あくまでも自分なりに、人の表情の観察をし、動作と表情のタイミングを考えながら、シャッターを押す練習をしなくてはなりません。
会得するまではかなりの時間がかかりますが、考えて撮るクセがついた時、きっと写真は劇的に変わり、撮りたい写真が撮れるよにも、きっとなれますよ。
2020年05月25日 22:16